国立府中辺りの分岐を見落としてしまったので、柴崎から多摩川を渡り、日野の先で 20 号と合流。高尾山口からいよいよ上りの始まり、S のマイペースに合わせてのんびり走る。一番軽いギアにしても、体重を充分にかけないとペダルが回らない状況。自転車を取り替えてあげたいが、そうもいかないので可哀想。時々弱気になる S を励ましながら、何となく大垂水峠を越える事が出来た。
S にとって、その後の下りは未体験の楽しさだったらしい。相模湖から上野原辺りは大型トラックも多く、渋滞の上り下りが続いて余り楽しくない、S の疲労も溜まってきて休憩の頻度が高くなってきた。毎時の移動距離も 10km 程度に落ちる。予定外だったが大月のファミリーレストランで暫く休む事にした。
軽く昼食を取ってから再出発。ところが少し走ったところで S が路肩の砂に前輪を滑らせて転倒、左膝を擦って出血する。ボトルの水で洗浄しバンドエイドで処理。汗で剥がれやすいため、とりあえず小さめの手拭を上から結ぶ。そろそろサポートカーのおくさんに電話して合流場所を決めなくてはいけないし(なかなか電話が来ないので、捜索届けを出す直前だったらしい)、結んだ手拭も走り辛そうなので、公衆電話とコンビニエンスストアを探しながら 20 号を進む。初狩の廃業コンビニ店舗前で公衆電話が見つかり、おくさんに電話。大月で中央自動車道を降りて、自分たちの後ろから追いついてもらう事にする。廃業してないコンビニで包帯も入手し、S の傷口をバンドエイドの上から柔らかく巻き直す。笹一の公衆電話で再びおくさんに連絡、合流の最終確認をする。
おみやげに笹子餅を購入して走り始めるが、そろそろ笹子峠に向かう上り基調となり、小休憩している時におくさん運転のサポートカー(いつものマイカーのことですが)が到着、S の自転車を積み込んだ。自宅から約 106km、距離数だけを見れば S にとっても物足りない残念な結果になったが、初めての峠越えも体験し不満は無いようだ。というか、もうペダルを漕がなくても良いのだと晴れ晴れしている。<続く>