子どもたちの ThinkPad 560 16 Apr 2007
子どもたちに秘蔵の PowerBook 170 と 180 を見つけられてしまった。「おとうさん、これうごくの?」と聞かれ、つい正直に「液晶パネルは劣化してるし、内蔵電池が切れているから(この機種は)起動もしないよ」と答えてしまった。当然、その瞬間に「じゃあ、ちょうだい、ちょうだい」と催促されるはめになった。
古いとはいえ、動かないとはいえ、それなりに思い入れのある機種なので、子どもたちのおもちゃにされてはたまらない。あたりを見渡すと、 M+ BITMAP FONTS 制作時に使い潰してきた ThinkPad 560 シリーズの残骸が四台分積み上げてあった(最終作業機の 560X は別に確保してある)。ニコイチ、サンコイチで組み直しておいたので、その内の二台はとりあえず外見上は欠品無く見えた。「これで良かったら一台ずつあげるけど?」「ほしい!ほしい!」ということで、子どもたちに譲ることにした。
子どもたちはしばらくの間、ディスプレイを開いてカチャカチャとキーボードを叩き、大変満足そうである。そういえば、内蔵電池もバッテリも消耗しきっているとはいえ、まだ作動するはずじゃなかったかなと思い出し、コンセントに繋いでスイッチを入れてみた。
息子 T 機:しばらくすると Red Hat 9 / GNOME が立ち上がった。随分前、動作確認のためにインストールしてみた記憶がおぼろげにあった。スイッチを入れてからデスクトップが表示されるまでかなり待たされたが、とりあえずちゃんと起動。中身は ThinkPad 560X だった。
息子 S 機:こちらは M+ BITMAP FONTS 制作時の環境がそのまま残っていた。懐かしい LFS / FVWM2 の環境は(自分的には)今でもなかなか快適。中身は ThinkPad 560E だった。
性能の低い 560E に合わせて子どもたち用の環境を構築することにする。LFS / FVWM2 は確かに快適なのだが、それなりの環境が揃うまでに一週間はかかるため却下。起動用の FDD イメージが用意されていて、FTP インストールが可能なディストリビューションということで Debian GNU/Linux 4.0 (etch) を選択。T 機に外付けのフロッピードライブを接続し、起動用ディスクを作る。
$ ncftp ftp.riken.jp - ncftp > cd Linux/debian/debian/dists/etch/main/installer-i386/current/images/floppy ncftp > get boot.img net-drivers-1.img net-drivers-2.img root.img # fdformat /dev/fd0h1440 # dd if=boot.img of=/dev/fd0 # dd if=net-drivers-1.img of=/dev/fd0 # dd if=net-drivers-2.img of=/dev/fd0 # dd if=root.img of=/dev/fd0boot.img から再起動し、指示に従ってディスクを入れ替えつつインストール作業、基本的なパッケージの他にラップトップ用のパッケージだけ選択。
T 機のインストールが完了したので、電源コードとフロッピードライブ、ネットワークカードを S 機に移して再びインストール開始、と思ったらこちらはフロッピードライブを認識してくれない。仕方が無いので二台をばらし、インストールの終わった T 機の HDD を S 機に移設、S 機の HDD を T 機に移設してもう一度インストール作業。最終的には X 上で Firefox といくつかのゲームが動き、日本語入力の練習が出来る環境を目標とする。
子どもたちには携帯電話機はもちろんのこと、ゲーム機の類も与えていなかったので、それらの替わりになってくれればと思う。彼らも自分だけの「本物のコンピュータ」が本当に嬉しい様子。