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Mplus 2

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M+ FONTS の選び方
種類が多すぎてわかりにくいと言われ続けているのにも関わらず、さらに複雑な状況になってしまって申し訳ないので解説いたします

2 種類の M+ FONTS

現在 M+ FONTS は、OSDN で公開しているものと GitHub で公開しているものがあります。多くの方々に支えられて 2003 年から制作を開始した OSDN 版、Google の支援をいただいて 2019 年からデザインの見直しを進めている GitHub 版、最初にこの 2 つの M+ FONTS の強い点と弱い点、違いと共通するところから説明します。

OSDN 版の M+ FONTS は、開発当初からやってみたいアイディアが次から次へと湧いてきて、それらを形にすることが楽しくて、気がつくと文字デザインの種類と含まれる文字種が予想外に増えてしまいました。強い点としては、それらの成果である複数のデザインバリエーション、多言語対応と豊富に用意した国際音声記号、演算子、特殊記号による多目的対応があげられます。なんの制約もない独自の M+ FONTS License に利点を感じる方も多いようです。一方弱い点として、これらの作業と膨大な数の漢字を揃える作業に時間を取られ、基本的な文字(ひらがな、カタカナ、英数字)のデザインに充分な時間をかけることができなかった面があります。

GitHub 版の M+ FONTS では OSDN 版の反省をふまえて、基本的な文字のデザインを見つめ直し、複雑すぎるデザインバリエーションを整理しているところが強い点といえます。こちらは SIL Open Font License となります。M+ FONTS License に比べれば僅かな制約がありますが、一般的な使用においては充分にフリーなライセンスといえます。反面、他言語対応と多目的対応に必要な文字の制作は後回しになっているところが弱い点となります。

以上の違いにかかわらず、一貫したデザインの方向性による書体のイメージは共通です。OSDN 版を見慣れている方が GitHub 版を見ても、それほどの違和感をおぼえることはないだろうと判断しています。また、約 5,700 文字まで制作した漢字は今のところ GitHub 版でもそのまま流用されています。

結論として、他言語対応や多目的対応が必要な方、ライセンスを気にすることなくフォントを改変、再配布される方は OSDN 版を、それ以外の一般的な使用目的の方は文字デザインの改良された GitHub 版をぜひご利用ください。

OSDN 版 M+ FONTS について

和文文字では、直線処理と柔らかな曲線の対比が特徴的な Type-1(左)と、従来的なゴシック体の雰囲気を残しつつ現代的な表情も併せ持つ Type-2(右)の 2 種類のかな文字に、共通の漢字を組み合わせています。

欧文文字では、明るく伸びやかなデザインを心がけた M+ P、文字組みの時のまとまりの良さを意識して再設計された M+ C 、プログラミング用として識別性を重視しつつ素直な字形を目指した半角固定幅の M+ M、プログラミング用フォントの新しいデザイン性を意識した M+ MN があります。

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M+ MN 以外の欧文にも、2 種類のかな文字に対応した Type-1(上)と Type-2(下)があります。

Gy3 Gy3 Ba0

これらの和文と欧文を組み合わせて 7 種類のフォントを用意しました。モダンゴシックとしての明るいデザイン性を求める場合は M+ P Type-1ややクラシックな雰囲気を求める場合は M+ P Type-2、それぞれの欧文をややスリムにして文字組みのまとまりの良さを求める場合は M+ C Type-1 または M+ C Type-2 を選べばよいと思います。また、プログラミング用として等幅フォントが必要な場合素直な字形なら M+ M Type-1ややクラシックな字形なら M+ M Type-2新しいデザイン性を求める場合は M+ MN Type-1 を選べばよいと思います。

公開サイトではご利用目的に応じていくつかのフォントファイルを用意してありますが、一般的にフォントとしてご利用する場合は mplus-TESTFLIGHT-063a.tar.xz(TTF)か、063-OTF.tar.xz(OTF)を、フォント改造を目的とする場合は 063-OTF-NO_REMOVE_OVERLAP.tar.xz が適しています。またこちらの CVS Repository には、フォント制作時に作成したすべての Adobe Illustrator ファイルが残されています。フォントファイルと同様、ご自由にお使いください。

公開中のフォントファイルはすべてのフォントを 1 つにまとめているため、圧縮率の高いフォーマットを採用しています。ファイルの展開は Unarchiver (macOS)、7-Zip (Windows)などのフリーソフトウエアが対応しています。

GitHub 版 M+ FONTS について

現在のところ、プロポーショナルフォントとして 2 種類(CLOG)、プログラミング用等幅フォントとして 1 種類(CLOG)のフォントファイルを公開しています。OSDN 版 M+ P と C の Type-1 をもとにデザインを見直した Mplus 1(左)、Type-2 をもとに M+ FONTS らしさを強めた Mplus 2(右)、

M+ MN をさらに発展させて Mplus 1 の和文文字と組み合わせた Mplus 1 code、それぞれの文字をすべてデザインし直しています。

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OSDN 版と同様に、明るいデザイン性を求める場合は Mplus 1ややクラシックな雰囲気を求める場合は Mplus 2プログラミング用途には等幅フォントの Mplus 1 code をお選びください。またプログラミング用途で和文文字が不要な場合は、文字幅 50% の Mplus code 50、文字幅 60% の Mplus code 60 もお選びいただけます。

さらに GitHub 版の M+ FONTS では variable fonts 対応フォントも公開しています。Mplus 1 の欧文文字とかな文字に対応した Mplus1GX.ttf、

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Mplus 2 の欧文文字とかな文字に対応した Mplus2GX.ttf、

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Mplus code の欧文文字に対応し、weight と width の 2 つの variable 軸をもつ MpluscodeGX.ttf があります。

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ウェイトの選び方

公開当初から M+ FONTS の大きな特徴の 1 つだった多ウェイト展開(プロポーショナルフォントで 7 種類、等幅フォントで 5 種類)ですが、この種類の多さが「わかりにくい」と言われる複雑さの一因にもなっているようです。ウェイトの選び方に決まりごとなどはありませんのでご自由に、としたいところですが、ここでは基本的な考え方だけ説明します。

見出しなどで比較的大きく表示する場合は、どのウェイトでも問題ありません。太いウェイトで目立たせることは道理にかなっていますし、逆に細いウェイトにしても洒落た感じになります。あえて本文と同じウェイトにすることもデザイン的にはあると思います。タイトルなどでさらに大きく表示する場合なら、もっとも太い Black でも、もっとも細い Thin でも、文字の背景との関係を別にすれば可読性が問題になることはないでしょう。ただしプレゼンテーションなどで細いウェイトを使用する場合には注意が必要です。大抵の場合、読みづらいです。

本文として使用する場合、もっとも太い Black、その次に太い ExtraBold、もっとも細い Thin あたりは、おそらく可読性に問題がでてくると思います。無難に文字組みをするのであれば、Light、Regular、Medium を試してみてください。ディスプレイに表示するのか、紙に印刷するのか、背景は白地か、濃い背景色に対してヌキ文字になるのか、などの条件によって可読性は変化します。ヌキ文字の場合は本来のウェイトよりも太く見えますが、細いヌキ文字は潰れて見えづらくなることも多いです。スマートフォンなどの高解像度ディスプレイでさらに小さく表示される場合は、一段階太いウェイトを選んだ方が読みやすくなります。

本文と見出し、または本文内での一部強調などで異なるウェイトを選ぶ場合は、Light と Medium、Regular と Bold、Medium と ExtraBold のように二段階離れたウェイトの組み合わせを使用すればほどよい区別がつきますし、さらに離れたウェイトを組み合わせれば、よりコントラストの強いデザイン表現になります。

……というような当たり前だけでは面白くありません、どのような使い方であっても「読める」のであれば正解です。ぜひ 7 ウェイトの利点を活かしてデザインを楽しんでください。