いつの間にか増えてきたので、記録もかねてまとめてみます。斧選びに迷っている誰かの役に立つことができればうれしいです。前提として、以下の感想は身長 162cm で BMI 21、体脂肪率 18% 程度の小柄で非力で運動不足気味、いつまでたっても薪割りが上達しない ♂ の個人的な意見です。購入順に紹介します。
Wetterlings - Splitting Axe
刃の重さ:1.5kg
柄の長さ:730mm
Made in Sweden
最初の頃こそ重さを感じたけれど、いつまでも振り下ろすことができそうな気がするほど軽い。たぶん長さ 30cm くらいで節がなく木目の素直な玉(薪割り用に短く切った丸太)なら気持ちよく割ることができると思います。実際にはそんな素直な玉はほとんど無いし、自分が必要な長さ 45cm の薪を割るには力不足を感じました。刃の形状も薪割り用に中央が山形になっていますが、全体的に薄いので玉に食い込んだまま挟まって、抜くのに手間取ることも多いです。伝統的な斧としての質感は所有欲を満たしてくれます。
Wetterlings - Splitting Maul
刃の重さ:2.5kg
柄の長さ:810mm
Made in Sweden
最初に購入した Splitting Axe と比べて重量のあるヘッド(刃)と長い柄で確かな威力を感じます。直径 30cm で長さ 45cm 程度の玉であれば、多少節があっても大丈夫。ただ何時間も振り続けることは、自分には無理な重さ。刃の付け根部分の柄にヒビが入ってしまったので、アルミテープを巻いた上に針金で補強しています。刃の反対側がハンマーになっていて、薪割り用のクサビを叩くことができます。クサビを使えば太かったり節だらけの面倒な玉も確実に割ることができます。Splitting Axe 同様、伝統的な質感は所有欲を満たします。
当初はこの Splitting Maul で大きく割ってから、軽量の Splitting Axe で最終的な太さに割ることが多かったです。面倒そうな玉は最初からクサビを使って、体力の無駄使いを防ぎます。
Husqvarna - Hatchet
刃の重さ:0.6kg
全体の長さ:380mm
Made in Sweden
こちらは手斧。樹皮を剥いだり、薪割り斧で割り切れなかった筋を切断するのに使用しています。焚き付け用に薪を小割りする時にも重宝しています。Wetterlings 社の同等品と比べて驚くほど安価だったのですが、質感も使い勝手もとても良く、良い買い物だったと満足しています(残念ながら最近は値上がりして、他のスェーデンメーカーの高級品とたいして変わらない価格になってしまいました)。
Helko - Vario 2000 VR-4 Light Splitting Axe
刃の重さ:1.5kg
柄の長さ:750mm
Made in Germany
前述の Wetterlings Splitting Axe とほぼ同等の重さと長さの軽量斧。ヘッド部の金属カバーの分、重心がヘッドに寄っているのかもしれません。ボルトによる刃の固定方法がちょっと変わっています。バランスが良いのか、Wetterlings Splitting Axe では躊躇するような玉もよく割れるし、いつまでも振り下ろし続けることができそうな軽さです。刃の形状にも厚みがあって玉に食い込むことは少ないですが、刃先も厚いのでちょっと手斧の代わりに使うには不向き。しばらくの間、この斧を中心に使っていました。
Helko - Vario 2000 VR-7 Heavy Splitting Axe
刃の重さ:2.3kg
柄の長さ:900mm
Made in Germany
上の VR-4 同様、ボルトによる刃の固定方法がちょっと変わっています。柄がかなり長いせいか、Wetterlings Splitting Maul と比べても明らかにヘッドが重く感じられます。その分、威力も凄まじく、上手に振り下ろせた時はこの斧で割れない玉なんてないんじゃないかと思ってしまいます。実際にはそうそう何回も続けて振り下ろすには体力不足で、面倒な玉はさっさとクサビで割ってしまった方が効率的です。自分の体格的には持て余してしまいます。
セールで購入した安価な手斧
刃の重さ:未測定
全体の長さ:360mm
Made in ?
手斧の使い勝手がとても良かったので、おくさんが自分用に購入したノーブランド品。Husqvarna の Hatchet よりも軽いのでさらに使いやすいようです。質感は値段なりにそれなりですが、十分役に立っている様子。
Fiskars - X25 Splitting Axe
全体の重さ:2.4kg
全体の長さ:724mm
Made in Finland
しばらく愛用していた VR-4 のボルト折れ(修理済み)を機会に購入。評判通りに素晴らしい斧。軽量斧に属すると思うが、グラスファイバー製の柄は中空で重量バランスはかなりヘッド寄り、短めの柄は扱いやすく、軽く感じる割りに威力は大きい。柄の先端の返しもストッパーとして気持ちよく機能している。刃の形状は十分な厚みがあるにも関わらず先端は鋭利で、さらに柄が軽いので、短く持てば手斧的な使い方もできなくはない。価格は伝統工芸品的なブランド斧の半額程度で、もはや個人的には、このブランドの斧以外を選択する理由が見当たらないくらい気に入ってます。
LEXIVON V10
全体の重さ:576g
全体の長さ:254mm
Made in ?
おくさんが樹皮を剥ぐために、さらに扱いやすい小型の手斧が欲しいとの要望で見つけた。期待通りに扱いやすい様子。
Fiskars - X7 Hatchet
全体の重さ:635g
全体の長さ:355mm
Made in Finland
今まで使っていた Husqvarna の Hatchet にまったく不満はなかったのだけれど、メルカリで中古品が安く出品されていたので購入してみた。Husqvarna に比べて一回り小さなサイズ、しかし X25 同様のグラスファイバー製柄によるバランスの良さで、軽くて小さくてとても扱いやすいにも関わらず、振り下ろすと同等の威力があります。手斧もこれしか使わなくなりそうです。
最後に
ということで、もし自分が薪割りを始める誰かに相談されたとしたら、とりあえず Fiskars の X25 と、適当なハンマー付き重量斧、適当な薪割り用の鉄製クサビを 2 つ、適当な手斧を用意するよう助言します。